ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2016年12月
« 11月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
コラム 記者ワープロ

日日草

(9/11)

 一関市藤沢町の大籠地区は藩政時代、300人余りのキリシタンが命を落とした殉教の地。信者が隠れて礼拝した洞窟や刑場跡、首塚など点在する史跡が悲しい出来事を今に伝える

▼作家の遠藤周作さんは著書「切支丹時代~殉教と棄教の歴史」の中で、「わたしは夕暮れ近くこの街道を歩いたのだが、点々と残っている首塚や処刑場の跡に寒けさをおぼえたのだった。九州のキリシタン遺跡を訪ねてもこんな陰惨な感じをあたえる場所はなかった。ここは文字どおり東北切支丹の最後の聖地であろうと思えた」と、この地を訪ねた時の印象をつづっている

▼「寒けさをおぼえた」とされる最後の聖地に1996年、大籠キリシタン殉教公園が整備され、遠方から足を運ぶ人たちも増えた。県内外の信者らで組織する殉教地大籠を守る会は「大籠巡礼」を欠かさず、この地で総会を開き、史跡周辺での奉仕活動を続けている

▼地元の大籠キリシタン史跡保存会は、これから増えるであろう外国人の来訪に備え、文字が見えなくなった案内板の新調に合わせ、英文の併記を計画した

▼活動に参加したのが、大籠地区をはじめとする町内の中高生たち。辞書を引いたり、互いに相談したりしながら案内文の英訳を行い、日本語の案内に英文を加えた新しい案内板が完成し、関係者を喜ばせた

▼翻訳に参加した中学生は、真新しい案内板を設置する作業にも参加。スコップで穴を掘り、大人に交じって汗を流し、「外国人がいっぱい来て、大籠が有名になると思うとうれしい」と期待を寄せた。願いがかなうよう応援したい。