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コラム 記者ワープロ

(10/9)

 今年は宮沢賢治生誕120年。その賢治について長年勘違いしていたことがあった。「雨ニモマケズ」の一節に「一日ニ玄米四合ト…」とあるが、ずっと「二合」だと思っていた。4合とはスポーツ選手並みの量ではないか。「さぞ食のいい人だったんだな」と苦笑いした

▼その賢治の里・花巻をはじめとした県央部で、県が食味を最優先に開発したオリジナル米「銀河のしずく」が生産され、市場デビューした。2015年の食味ランキングで参考品種ながら最高の「特A」を獲得。炊き上がりの白さ、ご飯として純粋においしい食味が評価されている

▼4農協の約130ヘクタールで作付けされ、花巻農協では花巻、北上両地域の約58ヘクタールで栽培された。1等米で玄米タンパク質含有率が7%以下という高い出荷基準が設けられているが、同農協の初検査では全量1等と上々の出来栄えを見せた

▼県は17年から生産を始める「岩手118号」と並ぶブランド米として20年には1万ヘクタールで5万トンを生産する計画。コメの消費、価格低迷が続く中、「売れる米作り」で群雄割拠のブランド米市場に切り込む戦略だ

▼「銀河のしずく」は、全農が各農協から全量を買い取り市場供給している。県内では4日から店頭に並んでおり、早々に新米の味に舌鼓を打ったという方もいるだろう。どれくらいおいしいのか気になるところだ

▼賢治を連想させる「銀河」という言葉の響き。米作りに懸ける農家の気概が伝わってくるようでもある。「収穫の秋」にふさわしい高く澄んだ青空。見上げると、その向こうから賢治がほほ笑んでいるように見えた。