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コラム 記者ワープロ

日日草

(10/11)

 物を捨てられない性分のため気を抜くと部屋の中が物であふれ、重量オーバーになる。てきぱきと処理する「断捨離」をできる人がうらやましいと常々思っている

▼細胞内で不要になったたんぱく質などを分解する自食作用の「オートファジー」という仕組みを東京工業大栄誉教授の大隅良典氏が解明し、今年のノーベル医学生理学賞に決まった。大隅氏は「情報は顕微鏡の中にある」との信念で、オートファジーの働きを顕微鏡を使い初めて肉眼で観察した

▼オートファジーはパーキンソン病やがんなどの病気にも関わるとされ、長年の地道な研究成果が評価された。国内ではこうした基礎研究分野への研究費が潤沢とは言えず、大隅氏はノーベル賞の賞金を活用し、若い研究者を支援したいという

▼国は研究費を投じた限り即効的な成果を求めがちだ。確かにやむを得ない面はあるが、基礎研究によって技術が進み、産業へと発展して人類に大きな恩恵をもたらす。その逆コースはまずあり得ず、基礎研究の冷遇は科学の裾野を狭めてしまう

▼ノーベル賞の発表前に、ユーモアあふれる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式があった。上半身をかがめて股の間から物を見る「股のぞき」の視覚に変化が生じることを東山篤規立命館大文学部教授らが実証し、知覚賞を受賞した

▼日本の学会ではほとんど反響がなかったらしいが、欧州では全く違った。日本人のイグ・ノーベル賞受賞は10年連続という。大隈氏や東山教授がこだわったのは、誰もやらないような研究だ。いばらの道だが、若い科学者は避けないでほしい。