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コラム 記者ワープロ

日日草

(10/21)

 自分の不幸を願う人はいない。誰もが幸福になりたいと思うのは当たり前。その幸福を長く感じていたいところだが、賞味期限がありそうだ

▼中国の古いことわざにある。「1時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい」。「3日間、幸せになりたかったら結婚しなさい」。そして「永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」。趣味を持ちたい場合、釣りが最高ということだろう

▼沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で、約2万3000年前の釣り針が発見された。旧石器人の漁労の痕跡を示す道具は国内初で、世界最古の釣り針だという。既に魚を捕る技術を会得し、オオウナギや海水魚のブダイなどを捕獲していたとみられる

▼各年代の地層からはモクズガニのはさみも見つかった。近くの川では稚ガニが海から遡上(そじょう)し、秋の産卵期に海へと向かうが、太古の旧石器人もその習性を知り、旬のカニを捕まえては食べていたらしい。火を使用し、ゆでたり蒸したりしていたようだ

▼縄文人が日本列島に住み着く前の旧石器人の暮らしは今も謎が多い。狩猟採集が中心とみられていたが、思った以上に道具を上手に駆使し、多様な食生活を送っていたことになる。もっと古い地層からは食料にしたとみられるシカの化石も見つかり、実に2万年以上にわたり旧石器人が沖縄で生活を継続していたことも裏付けられたという

▼最古の釣り針は暮らしの工夫の証しだ。釣りにいそしんだ旧石器人も幸福だったのだろう。食べるばかりのこの身としては、一関市川崎町の名物カニばっとの味わいに至福の時を感じている。