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コラム 記者ワープロ

日日草

(10/27)

 小学1年の国語の教科書で習った最初の文章は「みえる みえる」だった。その次に載っていたのが確か「はるみさん、はい」。50年も前の教科書で同輩には懐かしいかもしれない。他の教科書にもそれぞれ思い出があるに違いない

▼国語で習う文章や言葉遣いは普段話しているのと明らかに異なった。明治期に標準語が定められた一方で、周囲で交わされていた会話はいわゆる方言で、当地方なら東北弁、岩手弁ということになる。地方色の濃い話しぶりは気候風土と密接でもある

▼雪国では長話が自然と省略されていく。岩手もその傾向が強く、「け(食べてください)」「く(頂きます)」の会話はそれ以上短くできない。標準語として「見れる」は正しくなくても、地方によっては昔から可能を表した。国語の試験では認められないが、いわゆる「ら抜き言葉」は今や普通に聞かれようになった

▼「見れた」「出れる」を使う人の割合も、正しいとされる「見られた」「出られる」を上回ったことが文化庁の2015年度「国語に関する世論調査」で分かった。このら抜きの2語の使用が多数派となるのは初めてという。また、「来(ら)れる」も半々だったという

▼言葉はどんどん変化していくのは自然なこと。年配者からは言葉の乱れを憂う意見も聞かれるが、コミュニケーションの道具と考えると、相手に通じることが優先される

▼単語も誰かが初めて用いて、広まる。囲碁の「駄目」や正岡子規による野球用語「直球」などがそうだ。めんこい姿のアホウドリやオオイヌノフグリは名付け親に文句さえ言えない。