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コラム 記者ワープロ

日日草

(10/31)

 岩手の地の土台とも言える北上山地(北上高地)の南部には、古生代から中生代にかけての年代が異なる幾つかの地層が見られる。岩石や地質に興味がある人にとっては、何度となく足を運ぶ「聖地」に似た場所のようだ

▼この一帯は、かつて「暖かく浅い海だった」ことを示す石灰岩が広く分布する。それを裏付けるように、三葉虫や腕足類といった古生代の化石も多く見つかっており、古代へのロマンをかき立てる

▼一関市東山町にある鍾乳洞の「幽玄洞」では、洞窟内の岩盤から日本で初めて3億5000万年前のウミユリの萼(がく)の化石が発見され、話題となった。ここを訪れるたび、大学教授が洞内を観察した際に同行した記憶がよみがえる

▼町内はデボン期の鳶ケ森層、石炭紀の唐梅館層などの地層が隣り合っていることでも知られ、公園内の岩山や崖下など身近な場所で三葉虫やサンゴ、ウミユリなどの化石を採取できる穴場も多い

▼先日、県立博物館が主催する地質観察会が町内で開催された。「一関市東山町の古生層を訪ねて」と名付けた催しで、小学生から70代まで幅広い年齢層の地質や岩石、化石マニアが駆け付けた。町内の3カ所で地層を観察したり、化石を採取したりして青空に歓声を響かせた

▼崖下に、積み重なるように散らばった石の数々。注意深く見ると、粒状の穴や突起、波打つような模様があったりする。これが古生代に生きた動植物の化石なのだという。ハンマーを手に石を割り、断面を食い入るように見詰める子供たちの真剣な表情や、化石を発見した時の喜びに満ちた笑顔が印象的だった。