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コラム 記者ワープロ

日日草

(11/2)

 岩手、宮城、秋田の3県にまたがる栗駒山。ブナやナナカマドなどが全山を覆う紅葉の名所は今年も秋の深まりとともに鮮やかな赤や黄色に染まり、県内外から足を運んだ行楽客の心を癒やした

▼そんな風流な場所に異質な鉄柱が立ち、行楽客から不評を買っているという記事が本紙に載った。鉄柱は火山活動の観測装置の構造物で、気象台は「防災上重要」と理解を求めているという

▼栗駒山は岩手山、秋田駒ケ岳とともに国が県内で常時観測の対象にする火山だが、火山災害を想定したハザードマップは未作成。有識者や関係機関でつくる栗駒山火山防災協議会ハザードマップ作業部会は2017年度の策定を目指し、調査や検討の作業を進めている

▼同部会は先日盛岡市で開いた会合で栗駒山の水蒸気噴火の想定範囲を初めて示した。想定範囲は山頂付近の昭和湖を中心とする東西約3キロ、南北約500メートルのエリアで、これまでの調査資料に現地調査の結果などを加え範囲を確定した

▼部会によると、栗駒山の水蒸気噴火は北側で過去1万年ほどの間に少なくとも12回発生。最大規模だったのは約4000年前の噴火で、噴出物量は約230万立方メートルに達し大規模な火山泥流が噴出した。近年も1944年の昭和湖火口の噴火の際は泥水と強酸性水が流出し、広範囲に被害を及ぼしたという

▼人的に大きな被害が出た火山災害といえば火砕流などで41人が亡くなった91年の雲仙岳噴火、噴石などで58人が犠牲になった2014年の御嶽山噴火などが記憶に新しい。命を守るためにはやはり景観上の犠牲もやむを得ないだろう。