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コラム 記者ワープロ

日日草

(11/5)

 5日は「世界津波の日」。昨年12月、国連が制定を決めた。津波の脅威を世界中の人に知ってもらい、警戒や備えの重要性に意識を高めるのが狙いだ

▼制定には日本が主導した。東日本大震災を経験したことから各国に働き掛け、142カ国で共同提案した。11月5日は江戸時代の1854年、安政南海地震による大津波が和歌山県などを襲った日。村人の1人が稲束に火を付け、村民を高台に避難させた救出劇「稲むらの火」の逸話にちなむ

▼日本では東日本大震災直後に制定した津波対策推進法で、防災への理解を深めるため毎年11月5日を「津波防災の日」に定めた。それを機に、防災訓練やシンポジウムなどの活動が各地で盛んに行われている

▼津波に遭遇した場合の行動指針の一つに、三陸沿岸で言い伝えられている「津波てんでんこ」が挙げられる。津波の襲来を知った時から即座に避難する心構えの確認を示す言葉だ。とはいえ、三陸以外での認知度は高くなく、逆に自己中心的に逃げるといった間違った解釈も少なくないらしい

▼今、国内で最も警戒されているのが南海トラフ地震による大津波だ。東日本大震災と異なるのは、発生から津波襲来の時間予測が極めて短い点にある。「てんでんこ」は三陸にとどまらず、意味を正しく浸透させる必要を痛感する

▼付け加えるなら、てんでんこの後、逃げた所からすぐには戻らないことだ。津波は2波、3波と繰り返し押し寄せるのが怖い。初の「世界津波の日」に当たり、1人の犠牲者も出さないためにも「稲むらの火」のようなソフト対策が進むことを切に願っている。