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コラム 記者ワープロ

日日草

(11/11)

 ラグビー日本代表で主将、監督を務めた神戸製鋼ゼネラルマネジャーの平尾誠二さんが53歳の若さで旅立った。卓越した理論とリーダーシップで一時代を築いた「ミスターラグビー」。彼方の存在ではあったが同世代の一人として、早過ぎる死を惜しまずにはいられない

▼平尾さんの試合を何度か観戦した。最も印象深いのは1985年の日本選手権。7連覇を達成した新日鉄釜石と同志社大の今も語り継がれる伝説の一戦だ。縦横無尽に走る平尾さんは刺すように速く、華麗なステップ、正確なキックは芸術的ですらあった

▼2007年の3月だったと思う。講演会の席であいさつ程度ではあったが話をさせてもらった。端正な容姿にダンディーな振る舞い。「カッコいい」とはこういう人を言うんだなと納得されられたことが思い出される

▼講演で平尾さんは、後ろにつないで前進するラグビーのルールを例に、逆境に立った時こそ人の真価が問われることを説いていた。神鋼で阪神大震災の直撃を受けたが、震災を負けの理由にすることを認めない人間としての強さが全身からみなぎっていた

▼伏見工高で全国優勝。同大で史上初の大学選手権3連覇を果たし、神鋼で7度の日本一。91年W杯では主将として日本を初勝利に導いた。輝かしい競技歴の一方で、マネジメントの世界でも独自の組織論で新たな境地を切り開いた

▼トップアスリートとしての平尾さんの生きざまは多くの人を引き付け、ラグビーに限らず広く社会の中で評価されている。彼が体現し、築き上げた哲学は、これからもスポーツ史の中で生き続けるだろう。