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コラム 記者ワープロ

日日草

(11/15)

 元中学校長が現役時代を振り返った。教壇に立っていた当時は、授業内容を生徒みんなに理解してもらうことを念頭に置いた。生徒の顔をしっかり見て授業を進めていると、その教科が不得意な生徒の目の輝きがふっと弱くなる瞬間があることに気付く

▼その場面を自分がどう説明したか、職員室に戻って紙に書いて点検。「この部分の説明が粗かったな」と反省し、補充の説明を入れて別のクラスでやってみると成果が着実に表れた

▼放課後、机の列を整えるため部活動指導の前後に必ず教室に立ち寄った。そして教壇から教室内を見渡して生徒一人ひとりの顔を思い浮かべ「あれ、この子ときょうは一回も話さなかったぞ」「何か心配そうな顔をしていたなぁ」などと反省。「あしたは真っ先に話し掛けよう」と思う

▼高校受験を控えた3年生の秋ごろになると黒板に向かって書いている自分の背中に、集中力を高めた生徒のエネルギーを感じた。それは校長になって全校朝会で話をしていても時々あった。同じような体験を人に聞いたことはなく、また誰に話をしたこともなかった

▼生徒は本来、知りたいと思っている。分かると勉強が面白くなる。そのために指導し、褒めて自信を持たせるのが教師。そう思いながら子供の立場や一人ひとりの事情を考えずに怒ったことも結構あった、とまた反省

▼「先生に教えられて良かった」と言われるような教師を目指した。どれだけ目標に近づけたかは分からない。でも、その姿を見ていた同僚、その思いを感じ取った生徒がたくさんいた。独白のような取材を終え、そう思った。