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コラム 記者ワープロ

日日草

(11/18)

 落語が新たなブームにあるという。昔から庶民に親しまれている話芸だが、注目されているのは女性や学生が足しげく寄席に通う状況だ。特に若い世代が落語を新鮮に感じているらしい

▼もちろん若手はなし家の台頭や出前高座の浸透がブームを押し上げた面は大きい。大看板の長老たちが鬼籍に入り、一時は落語界の危機が叫ばれた。派手な動作がなくテレビ向きでないとされ、客離れに苦労した時期もあった

▼それが今、古き昭和の頃の文化などに憧れる若者が増えた。ネット社会に満足できず、寄席ならではのライブ感を求めて聴きに来るという。笑いだけでなく、泣けたり感動したりする話がたくさんあり、客が一緒になって楽しめるのがブームにつながっているのかもしれない

▼お目当てのはなし家を追い求めるだけでなく、大看板の話芸の妙にも接することで落語の深みに引き込まれるのであろう。と書きながら、強調し過ぎは控えたいところ

▼名人、達人の評価については自信がない。他人が「名人だ」と絶賛するのを安易に受け入れるのではなく、自身が納得することが大事。以前、実力派の落語家が亡くなった時に大きなショックを受けたが、その際、「これから名人の域に達する人なのに」と嘆いた。それが現代に至っては「昭和の大名人」という評価にある

▼そのギャップをいまだに埋められないでいる。映像を見直せば確かに名人芸だ。かつての芸が年月を経て輝きを放つ場合もあろう。ブームは一過性のものが多い。後になって、「浮世床」のように「夢の話かよ」の落ちで終わってほしくはない。