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コラム 記者ワープロ

日日草

(11/26)

 秋になると川を上るサケ。漢字の鮭(さけ)は魚へんに十一、十一と書くことから、11月11日は「鮭の日」にもなっている。岩手は秋サケの漁獲量が本州一で、身近な魚として親しまれてきた

▼それだけに、県内漁業の中でも重要な位置を占め、シンボルでもある「南部さけ」は県の魚になっている。三陸・海の博覧会の開催を記念し、1992年2月に決定したという

▼北の海で大きく育ち、古里へと戻ってくるサケ。河川の浄化など住民活動も功を奏し、内陸部の河川でもシーズンになると、長旅の末にたどり着いたサケの姿が見られる。傷だらけになりながら、懸命に泳ぐ姿には胸が熱くなる

▼やっと戻ったサケにも、古里を目前に試練がないわけでもない。行く手を遮る人工的な滝やダムなどである。一関市川崎町の千厩川には、川を切り替えた際にできた落差5メートルの人工滝があり、サケの遡上(そじょう)を阻んでいる

▼そこで、滞泳するサケを一度捕まえ、上流に運んで放すという民間グループの活動が行われている。名付けて「サケ移動大作戦」。今年も12日に開催され、参加した親子らが滝の手前でサケを網ですくい、上流に放した。無事に産卵し、ふ化した稚魚が海へと下り、再び生まれ故郷に戻ってくることを願って

▼一方で、今年の秋サケ漁は深刻な不漁となり、サケ祭りを中止する動きもあったそうだ。放流した稚魚が大きくなって戻るのは4、5年先。東日本大震災の影響で2011年、12年の放流数が少なかったのが、不漁の原因とみられるという。秋サケの復活には、ふ化や稚魚の放流を含めた内陸部の支援が欠かせまい。