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コラム 記者ワープロ

日日草

(11/27)

 「猪突猛進」という言葉の響きもあってか、イノシシには何やらどう猛そうなイメージもあるが、本来は敏感で神経質な動物らしい。とはいえ、しばしば人里に出てきて穀物や野菜を食い荒らしたりするため決して歓迎すべき相手ではない

▼本県では明治時代に絶滅したと考えられていたが、2007年に奥州市で目撃情報があり、11年には一関市で初の有害捕獲を行った。今や目撃例は盛岡市や雫石町にも及び、農業被害も増加傾向にあるという

▼こうした現状を踏まえ県は今年度、学識経験者や関係機関・団体でつくるイノシシ管理検討委員会を設置した。捕獲実績がある奥州、一関、平泉3市町を「定着地域」、被害・目撃情報がある16市町を「侵入地域」、残る14市町村を「警戒地域」に設定。地域ごとに被害低減や侵入防止などの目標を示した

▼具体的な取り組みは狩猟による捕獲や侵入防止柵の設置、緩衝帯の整備による生息環境管理などを計画しているが、あまりなじみがなかった動物だけに対策には手探りの感もある

▼イノシシの生息域拡大に関係しているのは近年の地球温暖化だろう。コメやリンゴなど農作物の生育にも既に影響は及んでおり、将来の気候変動や生態系の変化に対する不安は大きい

▼イノシシといえば、良い思いをした代わりに受けなければならない悪い報いを指す「しし食った報い」ということわざもある。温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の行方はトランプ次期米大統領の離脱方針で暗雲漂うが、経済優先で進む温暖化に手をこまねいていればやがてしし食った報いが待っているのは間違いない。