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コラム 記者ワープロ

日日草

(12/8)

 80歳で3度目のエベレスト登頂を果たし、世界最高齢記録を更新するなど数々の偉業を残す冒険家の三浦雄一郎さんは営林局に勤務していた父敬三さんの仕事の関係で少年時代の一時期を金ケ崎町六原で過ごした

▼三浦さんが住んでいたのは洋風の意匠に特徴がある木造平屋の住宅。明治時代、旧陸軍省軍馬補充部六原支部の官舎だった建物で、かつては支部長ら幹部が使っていた

▼軍馬補充部は農家から購入した馬を育成し、軍隊に供給した機関で、旧相去村長や旧胆沢郡会議員を務めた桑島重三郎が農家収入を増やそうと私財をなげうって支部の誘致に尽力、1898年に設置がかなった

▼支部ができたことで「端郷」と呼ばれていた地に洋風の建物が建ち、周辺からは1000頭もの馬が集まった。近隣には旅館や商店が軒を並べるようになり、往時のにぎわいは「不夜城のようだった」ともいう

▼支部の官舎だった住宅の中で現存するのは3棟。いずれも老朽化が著しかったが、うち1棟は昨年度復元整備を行い、先日軍馬の郷六原資料館として開館した。国の文化審議会は11月、同支部の官舎を含む県内3市町の10件を登録有形文化財(建造物)に登録するよう答申し、その価値に改めて光が当たった

▼三浦さんは桑島の生誕160周年と資料館の開館に合わせて金ケ崎町を訪問、記念講演で「人がやらないことをやったおかげで名前を知られるようになったが、その原点は六原の大自然」と懐かしんだ。持ち前のチャレンジ精神も郷土の振興に力を尽くした桑島らを輩出した六原の地で育まれたものだったのだろう。