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コラム 記者ワープロ

日日草

(12/15)

 10年近く前のこと。年明け早々に風邪を引いた際、折あしく親戚の葬儀が入り、体調不良を押して上京したことがあった。悪寒のため通夜の間も体の震えが止まらなかったが、同席した親類から背中に三つほど使い捨てカイロを張ってもらいどうにか一息ついた覚えがある

▼カイロと聞くと、昔はどこか年寄りじみたイメージがあったが、使い捨てカイロが普及して利用者の裾野が広がった。寒冷地で暮らす身にとっては冬場の必需品でシーズン前にまとめ買いをする人も少なくない

▼業界団体の日本カイロ工業会はカイロの需要が最盛期に差し掛かる12月1日を「カイロの日」に制定している。設立10周年を記念して1991年に設けたもので、カイロに関する知識の普及や需要促進に取り組んでいる

▼同会によれば、カイロは火鉢などで温めた石を布に包んで懐に入れた江戸時代の「温石(おんじゃく)」がルーツで、明治時代に木炭末に灰を混ぜて燃やす「カイロ灰」、大正時代になると「ベンジンカイロ」が登場し、使い捨てカイロは朝鮮戦争当時、戦地で米兵が使った水筒のような容器に鉄粉と食塩を入れて発熱する保温具をヒントに生まれたという

▼初めの頃は、もむと熱を発するものが多かったように思うが、今や袋から出すだけで温まるタイプが主流。下着に貼るものや靴底に敷くものなど使い勝手の良いカイロも生まれ、用途によって選ぶことができるようになった

▼日本生まれのカイロは地味ながらも世界に誇れる発明品の一つと言えよう。寒さの本番はまだこれからだが、カイロのお世話になりながら厳しい冬を乗り切りたい。