ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年1月
« 12月  
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031 
コラム 記者ワープロ

日日草

(12/19)

 この季節、各地で「果報団子」を作ったり、食べたりする催しを目にする。子供たちに季節の行事食や食文化を伝承しようという試みが多いようだが、学校給食の献立になるところもあり、この日は子供たちも大いに盛り上がるそうだ

▼「果報団子」は、弘法大師(空海)にちなんで大師講などと呼ばれる旧暦11月24日に作られる。ハギで作った弘法大師のつえと箸、あずき団子や団子汁を神棚に供える

▼弘法大師が旅の途中、ある家に一夜の宿を求めた時のこと。出された団子にわらが入っていて、家人が「申し訳ない」と恐縮したのに対し、弘法大師は「これは果報。めでたい」と言ったのが由来という説もある

▼団子にはハギの枝で作られた小さな果報が入っていて、口にした団子に果報があると当たりとされ、果報が授かるとか、幸運をもたらすといわれている。子供たちは果報を授かろうと、競うようにいっぱい食べたものだ

▼果報団子を取材していて、ふと子供の頃を思い出した。箸で挟んだ団子をよく見ると、小さく切ったハギの一部が見えていたり、当たりの団子は明らかに他と大きさが違っていたりした。食べる前から当たりと分かったが、今にして思うと、わんに盛る際に見分ける目印だったのかもしれない。子供に当たりを入れたいという親心であったろう

▼当たったハギの小さな枝を神棚に供えて茶わんを伏せ、翌朝にドキドキしながら茶わんを開けてみると、10円玉や5円玉のお金に変わっていた。「なぜ」「どうして」という不思議さと、うれしい体験は忘れられない。次代に残したい季節の伝承行事である。