ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年1月
« 12月  
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031 
コラム 記者ワープロ

日日草

(12/27)

 かなり高度で、今の技術レベルでは無理があるのだろう。そう思わせた事故があった。21年前の1995年12月に高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で発生したナトリウム漏れの事故のことだ。その後、もんじゅはほとんど稼働していない

▼国策で進められた核燃料サイクルの中核施設だが、政府は廃炉を正式に決めた。前年の94年に初臨界を達成したものの、トラブル続き。1兆円以上が投じられたが、運転は延べ250日にとどまり、ほとんど成果を出せなかった

▼政府はそれでも核燃料サイクル政策を維持し、もんじゅに代わる高速炉の開発を続ける方針という。投じた巨額の国費を無駄にしたとは認めたくないかのようだ

▼もんじゅの廃炉作業は、約30年の年月と3750億円以上の費用が掛かると試算されている。原子炉の冷却に使ったナトリウムや使用済みの核燃料処理などの難しい課題が残り、廃炉への道のりは相当険しいものになりそうだ

▼運営主体の日本原子力研究開発機構は今後、廃炉計画を策定し、原子力規制委員会の審査を受けるという。ウランとプルトニウムを燃やし、使った以上のプルトニウムを生み出す夢の高速増殖炉とされてきたが、最大の目的であった安全な出力運転を見ることはできなかった

▼「三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵」といわれる。文殊は仏教の開祖・釈迦(しゃか)如来の脇侍で、とりわけ知恵をつかさどる菩薩(ぼさつ)とされている。その知恵にあやかろうと命名された高速増殖炉だったが、名前負けというより、日進月歩の現代科学にあってなお制御技術が完成されていなかったと言えよう。