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コラム 記者ワープロ

日日草

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 厳寒の寺社境内で下帯姿の男衆が白い息を吐き、体から湯気を上げながら駒の入った麻袋などを奪い合う蘇民祭。県南各地に伝わり、毎年1月2日の胡四王神社(花巻市矢沢)を皮切りに、3月17日の早池峰神社(同市大迫町)まで10カ所で続く

▼今年は、達谷窟(たっこくのいわや)毘沙門堂(平泉町)の鬼儺會(おにばらえ)の裸参りが明治期の修験道廃止などで途絶えて以来、1世紀余りを経て復活。2日昼の胡四王神社に続き、同日夜から3日未明にかけて行われ、県外や県南各地の蘇民祭メンバーも応援に駆け付けて盛り上がった

▼こうした動きを後押ししたのが、昨春に10団体で結成した「岩手の蘇民祭保存会」。近年は参加者の減少や高齢化により、衰退する懸念が共通認識としてあり、互いに連携して祭りを盛り上げ、後世に引き継ごうとスクラムを組んだ

▼「郷土の古い歴史と伝統のある県内の蘇民祭の保存、継承に協力する会員の啓蒙(けいもう)と友好を図る」。同保存会が掲げる目的達成のため、各地区の蘇民祭、関連行事への参加協力などの事業に取り組む

▼といってもメンバーは、これまでも互いの祭りに参加し合ってきた。同保存会理事長を務める黒石寺(奥州市)蘇民祭保存協力会青年部長の菊地義則さん(45)は「より親睦を深めながら盛り上げていきたい」と意気込む

▼1000年以上の歴史を持ち、全国各地に伝わる蘇民祭だが争奪戦は岩手だけという。1995年に文化庁の「記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財」となった岩手の蘇民祭。今年は、将来的な世界無形文化遺産登録の実現を目指した盛り上がりが各地で見られそうだ。