ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年3月
« 2月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
コラム 記者ワープロ

日日草

(1/28)

 「臭い物にふたをする」―ではないが、化学的な処理により悪臭を快適なにおいに変化させる研究が進んでいる

▼「におい」に関する文化は、いにしえより伝わる。白檀(びゃくだん)や丁子などの粉末をもとにした「匂い袋」が代表格で、身だしなみや防虫に活用された。およそ1200年前の天平宝字年間建立といわれる正倉院(奈良県・国宝)宝物館所蔵の「裛衣香(えびこう)」が原型といわれる

▼ちょっと気になるのが、「におい」を表す二つの表記の違いだ。日本語の難しいところで、ひらがな読みは同じながら心地よい場合は「匂い」、逆に不快な場合は「臭い」の漢字で表す。においの感知には個人差があるものの、社会生活の中で誰もが許容範囲を超えたと感じる「臭い」を「悪臭」と表現している

▼現代生活の中では消臭から芳香まで幅広い分野で「におい対策」が浸透する。最新情報では、下水道未整備地域でふん尿を回収する衛生車・バキュームカーが放つ臭いを、甘い香りのチョコレート臭に変える技術を民間企業が開発している。とかく嫌われがちな衛生車のイメージ一新にも結び付きそうだ

▼災害時の人命救助に役立つ技術開発もある。東京大と民間組織の研究グループが連携し、人のにおい(汗)を感知する蚊の触覚をヒントにした、においセンサー搭載の小型ロボット開発が進んでいるという。近い将来、家屋倒壊や土砂崩れなど人の入れない災害現場での活躍が期待される

▼においといえば、年齢的に自らの加齢臭が気になるこの頃だが、表面的な消臭にとどまることなく、世の中を明るくする芳香を放つ存在でありたいと願う。