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コラム 記者ワープロ

日日草

(3/12)

 国語辞典によると、風化とは「岩石が長い年月の間に風や雨によって崩れ、分解して土になること」とある。比喩的に「年月とともに、出来事の強い印象や記憶が薄れていくこと」とも

▼岩は地表に存在した瞬間から風化が始まる。そこに存在する限り、風化の進行は防ぎようがない。悲しいことだが人間社会とて同じことなのかもしれない。そうでもなければ悲惨な出来事は繰り返されていないはずだ

▼東日本大震災から6年。大津波や原発事故などに伴う避難者はいまだ12万人超に上っている。津波による被害はこれまでも繰り返されてきた。本県は1896年、1933年の三陸沖地震津波、60年のチリ地震津波で甚大な被害を受けた。ほぼ30~50年ごとに津波に襲われている

▼歴史上の出来事ではなく、その記憶の継承があったら「奪われた命は、もっと少なくて済んだのではないか。私たちは、悔しいんです」―。陸前高田市のNPO法人「桜ライン311」は、同市内約170キロに及ぶ津波到達点に桜を植樹し後世に伝える取り組みを行っている

▼11日に発行した弊紙別刷特集号では、一関市立南小学校が3月11日に合わせ「おにぎり給食」を続けていることを紹介した。自分で作り、おかずは持ち込まず、飲み物はお茶か水に限定。震災を記憶していた5年生の児童は「おなかがすいてつらかった」と振り返っている

▼政府主催の追悼式典で宮城県遺族代表の佐藤昌良さんは「あの悲しみ、あのつらさ、あの無力さ、あの寒さを忘れません」と誓った。岩は風化して土に還るが、東日本大震災は決して風化させてはならない。