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2017年5月
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コラム 記者ワープロ

日日草

(3/18)

 かつて春彼岸といえば、車のタイヤ交換を行う目安であった。それが異常気象の影響で、季節の移ろいが大きく変化。4月に雪が降ることも珍しくなくなったように思う。タイヤ交換もまだまだ先か

▼雪が残る中での墓参は供える花も少なく、せいぜいネコヤナギぐらいだったと記憶している。今は一年を通して生花が手に入り、春彼岸の墓前も色とりどりの花で飾られて華やぐ

▼岩手、宮城では、春彼岸に墓前へ供える造花が作られる。この季節はまだ寒く、供える花がないためだという。起源は定かではないが、明治になって仙台周辺で始まったとの説もある

▼「削り花」とも呼ばれる造花は、コシアブラの幹の皮を剥ぎ、乾かしたものをなたで削って作る。削られた花はパーマのようにクルンクルンと丸まって球状になる。肌が白く、削りやすいコシアブラのなせる業でもあろう。丸く仕上がった花は、小正月で見掛ける「粟穂(あわぼ)」「稗穂(ひえぼ)」にも似ている。これを赤や青、黄色など鮮やかな染料で染め上げ、ツゲの枝に付けて花束にする

▼一関市藤沢町の大籠地区では、地元の老人クラブが宮城県を訪れて技術を学び、会員が手分けして作った花を「彼岸花」と名付けて販売する。材料のコシアブラは前年の11月、地元の山林から切り出し、時間をかけて乾燥させる

▼宮城県気仙沼市、南三陸町の沿岸部からも注文が寄せられるが、今年は東日本大震災で亡くなった人たちの七回忌。3月11日に間に合わせようと、いつもより早めに作業を行った。鎮魂と復興の祈りを込めた「彼岸花」が墓前に飾られたことであろう。