ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年4月
« 3月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30 
コラム 記者ワープロ

日日草

(3/27)

 子供の頃、家で葉タバコを栽培していた。大きさが不ぞろいだったり虫食いがあったりすると収入に影響するため、両親はわが子を育てるがごとく農作業にいそしんだ

▼葉を収穫した後、乾燥作業が待っていた。寝床といわず居間といわず家中に葉タバコがつるされ、家族は身を低くして歩いた。乾燥が終わり、一枚一枚丁寧に重ね出荷を待つばかりの葉タバコは輝く茶色をしていた

▼母は鬼籍に入ったが、傘寿を過ぎた父は今でもうまそうにたばこを吸う。酒も晩酌の範疇(はんちゅう)を超えることがしばしばだ。病気で寝込まれたらと不安もよぎるが「体に悪いからやめたら」とはとても言えない

▼本県は今も昔も葉タバコの一大産地である。2015年の生産量は熊本県、青森県に次ぐ3位で、金額ベースで全国シェア12%を誇る。ただ、葉タバコ農家は高齢化による担い手不足、喫煙率低下などで栽培面積が減少傾向にあり年々厳しさを増している

▼ヘビースモーカーを自認する脚本家の倉本聰氏は「煙草というものを媒介に、創作の神様が下りてくる。『北の国から』という21年続いたドラマは43万本の煙草によって書くことができた。それでも百害あって一利なしと云うか」と愛煙家通信(喫煙文化研究会編)に寄せている

▼厚生労働省が受動喫煙防止対策の強化を目的とした法案原案を発表し、政界でも禁煙派、喫煙派が激しい攻防を繰り広げている。たばこには「有害物質が数百種あり、そのうち約70種類が発がん物質。その中には猛毒の…」と指摘する資料もあるほどだが、製造・販売を禁止せよという声はなぜか高まらない。