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コラム 記者ワープロ

日日草

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 「我等事、家内不熟に付き、其方へ永代の暇(いとま)さしつかわし申し候…」。江戸時代に書かれた離縁状「三行半(みくだりはん)」だが、夫も妻もまさか何代も後の多くの人間にまじまじと見られるとは思ってもみなかったろう

▼一関市博物館で開かれたテーマ展「古文書いろは」の一点で、本紙でも紹介した。ラクダが描かれた「長崎版画写」もあった。1821(文政4)年にラクダが輸入され、見世物として各地を回った。人々は大きさに驚きつつも「何の役に立つんだ」と思ったとか。それをベースに古典落語「らくだ」が生まれた

▼エジプトでピラミッド建造に携わった労働者の出勤簿も残っている。欠勤の理由に「二日酔いなので」「誕生日だから」などと書かれているという。いずれも当時の人々のありふれた文書だが、今となっては歴史を知る上で一級の資料だ

▼それを知ってか知らでか、役所は国民が「エッ!」と思うような文書も捨ててしまうらしい。防衛省は当初、南スーダンの国連平和維持活動派遣部隊の日報を「廃棄済み」としていた。しばらくして存在が明らかになったが、「射撃音」「緊張状態は継続中」「戦闘が生起」などの記載がある

▼「はしごを外された」「だまされた」など見苦しい論争を繰り広げる森友学園問題でも、財務省は国有地の売買契約を結んだ学園側との交渉記録について「廃棄して残っていない」と説明している

▼後に続く自衛隊員や職員にとって重要な資料となり得るはずで、後年、歴史を振り返る上でも残すべきだ。最終的な公式記録だけでは、その時代の息遣いを感じることはできないのだから。