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コラム 記者ワープロ

日日草

(4/20)

 中国は宋の時代、呂祖謙が編んだ「臥遊録」に「春山淡冶(たんや)にして笑ふがごとし」という言葉がある。ここから「山笑う」は春の季語となった。夏は「山滴る」、秋は「山粧(よそお)う」、冬は「山眠る」と続く

▼本県は県土の約8割が森林。森林面積は北海道に次ぐ全国2位を誇り、四季折々に美しい姿を見せる。公益的機能としても表面浸食防止、水質浄化、土砂崩壊防止などがあり、評価額は年間2兆6000億円と推計されている

▼ところが近年、松くい虫被害やナラ枯れ被害が急増し豊かな森林環境が脅かされている。松くい虫被害はマツノマダラカミキリを媒介としたマツノザイセンチュウによって松が枯れてしまう伝染病。センチュウは松を枯らし、カミキリはその枯れた松に産卵して増殖するという共生関係にある

▼ナラ枯れは、カシノナガキクイムシが媒介する「ナラ菌」が木の中で繁殖することで、ナラが水分を吸収できなくなり枯死する。県内では2010年度に初めて確認され被害木は5本だけだったが、16年度は5091本と過去最悪となった

▼被害に遭った松の葉は黄色や褐色になり、ナラの葉は紅葉のように一気に赤くなってしまう。放置すると枯死面積が広がり、公益的機能の低下のほか、木炭やシイタケ生産、野生動物の生態系などへの影響が出てくる

▼県や関係機関は監視態勢を強化する一方、被害木の全量駆除、各種の防除技術を組み合わせた拡大防止策を講じており、県民にも枯れ木を発見した場合は速やかな通報を呼び掛けている。これから夏山シーズン。県民一人ひとりが森を守り育てる心構えも必要だ。