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コラム 記者ワープロ

日日草

(4/24)

 野山にさまざまな花が咲き、新緑も日に日に輝きを増している。きょう4月24日は、日本の植物学の父と言われる高知県出身の牧野富太郎(1862~1957年)が生まれた日で「植物学の日」に定められている

▼自らを“植物の精”と称し、94歳で生涯を閉じるまでに50万点もの標本や観察記録を残し、命名した植物は1500種類に上る。79歳で発刊した「牧野日本植物図鑑」はロングセラーだ

▼自叙伝によると、早くに父母を亡くし小学校も中退したが、植物に関する書物を耽読し野に出ては採取して比較するなど「独学自修」の少年期を過ごした。東京帝国大の講師も務めたが「教授の嫉妬なども手伝って冷眼せられた」時代も。研究費用への投資で酒屋だった実家の財産を使い果たし、結婚後は「子供の教育費などで借金が出来、時々執達吏に見舞われた」こともあったが植物研究だけは続けた

▼「人間は植物に向こうてオジギをせねばならぬ立場にある」と説き、植物の「自然の美妙な姿に対すれば心は清くなり、高尚になり、優雅になり、詩歌的になり…」とつづっている

▼牧野は早池峰山も訪れたことがある。その際に同行した加藤泰秋子爵がナデシコ科の一種を発見し、牧野がカトウハコベと命名したという。白く可(か)憐(れん)な花を咲かせるが環境省の絶滅危惧Ⅱ類に分類されている

▼牧野と同年代に活躍した植物学者にロシアのマキシモヴィッチがいる。彼の採取活動を支えたのは紫波町出身の須川長之助(1842~1925年)で、同町の桜の名所・城山公園には2人の功績をたたえる碑が建っている。