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コラム 記者ワープロ

日日草

(5/17)

 林野火災発生の現場に急いで行き着くと、どれぐらい燃え広がっているのか1人で把握するのは困難だ。煙が視界を遮り、いつの間にか炎に巻かれる事態にもなりかねない

▼春は空気が乾燥し、火事が起きやすい。本県の山火事防止運動月間は31日まで続くが、それだけ昔から山火事が発生しやすい時期なのだろう。県内で発生する山火事の6割以上が同月間の3月から5月にかけて集中しているといい、野焼きやたき火が主な原因となっている

▼ゴールデンウイーク直後の8日には、釜石市で大規模な山火事が発生した。県は自衛隊に災害派遣を要請し、ヘリコプターで上空から散水する消火活動が行われた。市は周辺の住民に避難指示を発令。その後も延焼が続き、1週間かかって鎮圧宣言に至った

▼火事に強風が重なると、飛び火によって思わぬ所へ燃え広がる。釜石市と同じ日に山火事が発生した隣県の宮城県栗原市では、強風にあおられて民家などが焼失した

▼新緑の山林が黒焦げになる光景は見たくないし、被害額も莫大(ばくだい)だ。日本では害虫駆除などの必要から野焼きや火入れが伝統的に受け継がれ、強風や乾燥時に行わないのが鉄則だが、判断ミスが火災を招いてきた。関係機関は予防策として誤った火気の扱いに警鐘を鳴らし続けている

▼20年以上前だが、本県に滞在中の米国人から「二酸化炭素を排出し、温暖化になるので野焼きは良くない」と指摘されたことがあった。理にかなった作業なのだと説明しても受け入れてもらえなかったが、環境保全という視点は重要だ。野焼きから山火事にしない努力に終わりはない。