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コラム 記者ワープロ

日日草

(5/20)

 仕事柄、国語辞典、類語辞典、用字用語ブックは手放せない。少し気の利いた言葉を使おうと漢和辞典や古語辞典、色や空、草木に特化した図鑑をひもとくこともたびたびだ。気分転換に一関版国語辞典「小言海」を開いている

▼これは一関図書館が新築開館を記念して企画した事業「辞書を編む」で今春に発行した。一関市内の小学3~6年生約60人が参加し、地元の食べ物や行事、歴史などの事柄に関して語釈や方言をまとめたもので、手書きの用例カードも収録されている

▼ネコの項目には「ネズミとねこじゃらしが大好き。それに魚が大好物。毛がふわふわで色は白・まだら・茶色・黒のしましまなど」と何ともほほ笑ましい。新聞は「事件やニュースが載っている読み物。よく大人の人が読む」と解説。例文に「岩手日日の新聞を読む」とあり、ちょっとうれしくなった

▼書名は、同市ゆかりの国語学者大槻文彦が編んだ日本初の近代的辞書「言海」にちなんでいる。刊行から120年を経た今もなお、多くの人に愛読されている

▼そこでネコを引いてみると「人家ニ畜(か)フ小キ獣。温柔ニシテ馴(な)レ易ク、又能(よ)ク鼠ヲ捕フレバ畜(たくわ)フ。然レドモ、窃盗ノ性アリ。其睛(ひとみ)、朝ハ圓(まる)ク、次第ニ縮ミテ、正午ハ針ノ如ク、午後復(ま)タ次第ニヒロガリテ、晩ハ再ビ玉ノ如シ」

▼狙ったわけではないだろうが、隣のページにはネズミが載っている。「鋭キ四歯アリテ、牙無シ。尾ニ毛ナクシテ、長サ身ニ等シ。人家ニ棲ミテ、晝(ひる)潜ミ、夜出デ、食ヲ盗ミ、物ヲ噛ミ損フ」。簡潔明瞭(めいりょう)にして詩文のような解説に触れるとネズミでさえ愛らしく思える。