ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年6月
« 5月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
コラム 記者ワープロ

日日草

(5/26)

 音楽評論家の故吉田秀和さんは旅先のオーストリアで、ブルックナーの交響曲を生で初めて聴いた。ところが、あまりの長大さに途中眠ってしまう。目が覚めたら、その楽章がまだ続いていて閉口したという。ブルックナーの音楽を理解できなかったためだ

▼時代を映す歌謡曲やポップスはヒット曲が次々と生まれては消える。それに比べると、クラシック音楽はブームの到来が緩やかだ。それでも1年を振り返れば、新しい関心事や人気曲の変化に気付かされる

▼国内のプロ・オーケストラが所属する日本オーケストラ連盟が先月公表した演奏回数ランキングによると、2015年度の演目1位はラフマニノフの「交響曲第2番」だった。以前ならめったに演奏されない曲だが、演奏回数は10回に上った

▼徐々に評価が高まり、演奏機会も増え、ついに人気1位となった。プロのオーケストラだけではない。昨年11月には一関市民オーケストラが演奏会に選んだのもこの曲だ。常任指揮者の渡部勝彦さんの指揮により、一関文化センターで鳴り響いた

▼作曲家の祖国であるロシアの雰囲気が漂い、第3楽章の甘美な旋律が印象深いが、高度な演奏技術が求められる。アマチュア楽団では演奏困難とされた曲だが、団員の練習努力と賛助出演者らの支えで成し遂げた

▼眠くなると敬遠されがちだったブルックナーやラフマニノフの交響曲も今や人気演目である。今回、同じ演奏回数で首位に並んだのがバルトークの「管弦楽のための協奏曲」だ。あの「田園」や「悲愴」の交響曲は15位以内になく、明らかに新しい時代を迎えている。