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コラム 記者ワープロ

日日草

(5/31)

 塩焼きにムニエル、ホイル焼き…。マスは料理の材料としてもおなじみだが、マスを逆さにした「スマ」という名の魚があるのを恥ずかしながらつい最近知った。インド洋や太平洋の熱帯・亜熱帯地域に生息する海水魚といい、その味は「全身がトロ」といわれるほどの評判だ

▼刺し身やすしを好む日本人に人気がある魚といえばマグロ。しかし、近年は乱獲で資源量の減少が著しく、太平洋のクロマグロはかつての数%にまで減少、2014年には国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定するに至った

▼そんな状況から注目を集めているのがスマ。愛媛県や愛媛大は共同研究を進め、昨年スマの「完全養殖」に成功。安定供給にも見通しが立ったため養殖ブランド「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」として全国に売り込みを図る。今年は約2000匹を出荷、将来は年間6万4000匹の出荷体制を整えるという

▼本県漁業も近年は深刻な不漁が続いている。主要魚種であるサケ、サンマ、スルメイカの減少などから16年の水揚げ量は9万6020トンと東日本大震災前からほぼ半減した。震災や台風10号災害の影響、資源減少、漁獲しにくい漁場の形成などさまざまな要因が絡んでいるようだが、ただ手をこまねいているわけにもいかない

▼県は今年度サクラマスやイトウ、ナマコなど新たな栽培魚種の生産技術の開発を進めるという。有望魚種を見いだし苦況からの転換につなげたい

▼ところでスマの課題はその知名度の低さだという。スマに比べればサクラマスもイトウもなじみがある。本県漁業の救世主に育ってもらえれば何よりだ。