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コラム 記者ワープロ

日日草

(6/10)

 奥州藤原氏をその起源とする伝統的工芸品の秀衡塗。ひし形の金箔(きんぱく)を使い漆絵でデザイン化した草花を描いた秀衡文様が特徴で、素朴な中にも華麗な味わいがある。秀衡塗に欠かせない素材といえば漆。同じ伝統的工芸品の南部鉄器や岩谷堂箪笥(たんす)にも用いる天然の塗料だ

▼二戸市浄法寺町などを産地とする浄法寺漆は国産漆の約7割のシェアを占める。中尊寺の金色堂や金閣寺、日光東照宮の修復にも用いられるほど品質は高いが、近年は漆掻(か)き職人の高齢化などもあり、需要に応えることができていないという

▼そんな中、県や関係機関・団体が集まり、浄法寺漆の生産拡大や後継者育成を推進しようと「いわて漆振興実務者連携会議」を設立。第1回会議を先日開き、国産漆の需要に応じた生産量確保と漆掻き職人など担い手の確保、出荷量・収入の増加を目指すことを確認した

▼文化庁が2015年に国宝や重要文化財の修繕に国産漆を使う方針を示したこともあり、国産漆への需要は高まっているが、生産量は国内使用量のわずか2%にとどまる。また、工芸品についても素材・原料などの背景が求められる傾向にあり、国産漆には追い風が吹いている

▼連携会議には秀衡塗の発信などに取り組む一関市や平泉町も参加。今年度は構成機関・団体が情報共有しながら漆に関するシンポジウムや現地交流会、漆の魅力を発信する映像コンテンツの制作準備などを進める計画だ

▼英語で「Japan」といえば漆や漆器のことも指す。関係者の力を結集し、日本の文化を象徴する漆の主産地として関連産業の振興を図ってほしい。