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コラム 記者ワープロ

コラム

(12/16)

 こう言ってしまうのも何だが、個人的には先に発表された流行語大賞よりは納得できる結果であった。日本漢字能力検定協会が主催する「今年の漢字」。15日に京都市の清水寺で披露された。森清範貫主が墨痕鮮やかに書いたのは「安」の1文字である

▼2015年を改めて振り返れば、やはり国論を二分してまで成立した安全保障関連法を抜きにしては語れない。しかも、これを推し進めたのは安倍晋三首相が率いる連立政権。いろいろな意味で「安」の文字がポイントであったことは間違いない

▼さらに、発表会の席で1字を揮毫(きごう)した森貫主による解説も説得力がある。今年も世界各地でテロ事件や異常気象などにより、多くの犠牲者が出た。これらに対する人々の「不安」なども加味した上で、今年の世相を表す漢字として選ばれたようである

▼それにしても「安」という文字も奥深い。これは家の中に女性が座っているさまを表したとか。そこから静かにとどまることを指し、さらには安らかの意となったようだ。安心、安全、安息に安国…。確かにありがたい1字であるが、今回は対極にある「危」を意識した部分が大きい

▼このほか2位に入ったのが「爆」で、3位が「戦」。字面だけを見ると穏やかではない漢字が続いた。さて、その理由だが、流行語の年間大賞にもなった中国人観光客らの「爆買い」や戦後70年の節目という意味らしい

▼ただ、この二つの漢字とて見方によっては、世界の各地で鳴りやまない爆発音であり、テロとの戦いを表す。それを考えると「安」の陰に潜む「危」がどうも気に掛かる。