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「岩手日日」の前身となる「夕刊いちのせき」が創刊されたのは1923(大正12)年2月26日。当時、一関には中央紙などの通信部が設置されニュース取材に当たっていたが、地域の話題が取り上げられることは少なく「一関にも日刊新聞がほしい。それも夕刊にしてその日の出来事を夕食時にみんなに知らせるようにしたら…」という声が寄せられていた。長野県出身の山岸憲彰(初代社長)がこれにこたえ、「いちのせき新聞社」を設立、タブロイド判2ページの日刊紙「夕刊いちのせき」を創刊した。
1940(昭和15)年には「夕刊岩手日日」と改題、題字は貴族院議員の今井五介氏が揮毫した。 太平洋戦争中の1941(昭和16)年12月から新聞統廃合による一時休刊を余儀なくされたが、終戦後の1946(昭和21)年2月に復刊、これに合わせて発行形態が夕刊から朝刊となった。 困難の中、やっと地域で新聞発行が軌道に乗りつつあった矢先、今度は1947(昭和22)年9月、カスリン台風による記録的な大洪水で社屋をはじめ印刷機、用紙、記者の机までが濁流にのみ込まれ、翌年の1948(昭和23)年9月にはアイオン台風が襲来、再び大水害による記録的な被害を受けた。 カスリン台風による被害では、濁流に沈んだ機材をオイルで洗浄、米軍から特別配給されたザラ紙で新聞発行が再開されたのは1週間後だった。情報が遮断され大混乱に陥ったこの間も社員は被害の比較的少なかった場所に臨時編集室を設け「臨時特報」を発行した。社員自ら水害で被害を受けながらも、ガリ版刷りの紙面に各地の被害状況、電話や交通機関などの復旧見通しなどを表裏2面にわたって伝えている。使命感に燃える新聞人の懸命の姿が見える。「岩手日日」のモットーは「郷土とともに歩む紙面づくり」。地域のニュース、話題を地域の新聞ならではの切り口で紹介することに努めている。支社、支局網を整備し、親しみのある地域のニュース、話題から、激動する国内外の出来事、スポーツなどを網羅して、美しいカラー写真とともに読者に送り続けている。 現在、一関・西磐井・東磐井地方、宮城県北をエリアとする「岩手日日」のほか、奥州・金ケ崎地方、北上地方、花巻地方にもそれぞれ地域の話題を盛り込んだ独自の日刊紙「岩手日日(たんこう)」、「岩手日日(きたかみ)、「岩手日日(はなまき)」を発行。 インターネットと連動した情報発信にも取り組んでいるほか、一関市内においてはグループ社である一関ケーブルネットワークとニュース報道などで連携を強めている。 新聞制作の面では最新の技術を導入、現在編集局ではデジタル画像の自動最適化システムや、縦横に検索ができ読者サービスにも対応した統合データべースともつなぐ電子組み版システム「れいんぼー2」が稼働しスピーディーな紙面作りに威力を発揮している。 新聞印刷のみならず美しい商業印刷も可能にした国内初のタワー型シャフトレスオフセット輪転機を導入、印刷新時代を見据えた運用が展開されている。 予想される大規模地震など不測の災害や事故によって紙面作り、新聞印刷などが困難になっても、継続して新聞発行を行うため、岩手日日新聞社は河北新報社(仙台市)、デーリー東北新聞社(青森県八戸市)との間でそれぞれ災害時の相互援助協定を締結。災害発生を想定して毎年定期的に紙面作りの訓練を重ねながら万一に備えている。また、岩手日日の姉妹紙として週刊「リビング」(無料)も発行しているほか、「岩手日日文化賞」の授与、各種スポーツ大会や写真コンテスト、美術展の開催、世界各地を訪ねる旅行企画などの事業も展開している。 |
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カスリン台風による被害では、濁流に沈んだ機材をオイルで洗浄、米軍から特別配給されたザラ紙で新聞発行が再開されたのは1週間後だった。情報が遮断され大混乱に陥ったこの間も社員は被害の比較的少なかった場所に臨時編集室を設け「臨時特報」を発行した。社員自ら水害で被害を受けながらも、ガリ版刷りの紙面に各地の被害状況、電話や交通機関などの復旧見通しなどを表裏2面にわたって伝えている。使命感に燃える新聞人の懸命の姿が見える。
予想される大規模地震など不測の災害や事故によって紙面作り、新聞印刷などが困難になっても、継続して新聞発行を行うため、岩手日日新聞社は河北新報社(仙台市)、デーリー東北新聞社(青森県八戸市)との間でそれぞれ災害時の相互援助協定を締結。災害発生を想定して毎年定期的に紙面作りの訓練を重ねながら万一に備えている。