構成資産を9つから5つに絞り込むことを正式に決めた文化庁と県教委、3市町長の協議。世界遺産登録への再挑戦が始まった=4月23日、平泉町・平泉文化遺産センター
構成資産を9つから5つに絞り込むことを正式に決めた文化庁と県教委、3市町長の協議。世界遺産登録への再挑戦が始まった=4月23日、平泉町・平泉文化遺産センター
 2年後の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産登録を目指す「平泉の文化遺産」の構成資産が当初の9つから5つに絞り込まれた。20年7月の「登録延期」を受け、文化庁は登録を確実なものにすべく価値証明の可能な資産を優先して選択。残された4資産は追加登録を目指す方針。平泉、一関、奥州の2市1町が一丸となって取り組んできた「世界遺産への道」は厳しい決断の下、大幅変更。その意味や経過、今後の見通しなどを探る。(7回続き)

 「平泉の文化遺産」の構成資産は国の指導で平泉町の中尊寺、毛越寺、無量光院跡、金鶏山、柳之御所遺跡、達谷窟(たっこくのいわや)と一関市の骨寺村荘園遺跡、奥州市の白鳥舘遺跡、長者ケ原廃寺跡-の九つで進められてきた。
 「登録延期」決定後、文化庁は二十三年の登録実現に向けて取り組むことを決め、二十年九月から推薦書作成委員会を開く一方、二十一年二月には国際専門家二人を現地に迎え、九つの資産を視察。

 その上で今月四日の第五回推薦書作成委では、非公開の第二回国際専門家会議での意見集約を経て主題は「浄土世界」を柱とし、かかわりの深い中尊寺、毛越寺、無量光院跡、金鶏山に加えて「平泉の浄土世界の基点で政治行政上の拠点として核になっている」(文化庁記念物課の本中眞主任文化財調査官)ことから、柳之御所遺跡を構成資産にすることを最終確認した。

 なぜ九つから五つに絞り込まれ、四つが追加候補になったのか。「世界遺産登録を実現しよう」と一つの目標に向かって取り組んできた三市町と、遺跡の保存、価値証明に加えて景観の保存などに地域を挙げて取り組んできた関係住民にとっては簡単に「はい、そうですか」と受け入れられる問題ではない。

 文化庁では早速関係市町を訪問して絞り込みの説明を行う一方、追加登録の意向を示し理解を求めた。

 これまでの取り組みが決して無駄ではないことを国が評価し、今後の活動についても単なる側面支援にとどまらず明確な後押しを約束するものでなければ関係住民も納得し難い。

 段階的な登録を目指すとするなら、なぜ五つの資産に絞り込んだのか、その理由と残る四つの資産については、どのような手法でいつごろの追加登録を目指していくのかの国としての説明も明確にする必要がある。