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コラム 記者ワープロ

宮沢賢治賞・イーハトーブ賞 司氏ら3人に贈呈

(9/23)
花巻市主催の第26回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式。左から上田市長、加藤氏、司氏、野口氏

花巻市主催の第26回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式。左から上田市長、加藤氏、司氏、野口氏

 宮沢賢治生誕120年の節目に重なる花巻市主催の第26回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式は22日、同市大通りの市定住交流センター(なはんプラザ)で行われた。このうち賢治を顕彰する実践的活動をたたえるイーハトーブ賞は、画家で作家の司修氏=東京都武蔵村山市=に本賞、朗読家の野口田鶴子氏=横浜市=に奨励賞を贈呈。賢治に関わる研究や評論、創作活動などを評価する宮沢賢治賞は本賞の該当者がなく、銅版画家の加藤昌男氏=兵庫県篠山市=に奨励賞を贈った。

 式には関係者ら合わせて約250人が出席。上田東一市長と宮沢賢治学会イーハトーブセンターの栗原敦代表理事が、受賞者一人一人に賞状と記念品などを手渡した。

 司氏は1936年生まれ。大江健三郎ら多くの作家に芸術性の高い装丁を提供する一方で、多数の著書や絵本で賢治への関心を表現し、ジャンルを横断して文学出版文化を高めた。受賞については「賢治生誕120年の記念すべき年に、予期しない賞を頂き、感謝に堪えない。作品を読んで得た賢治の教えは自分の生き方の宝」と述べた。

 野口氏は46年生まれで盛岡市出身。声楽家として活躍していたが、発声障害で活動の中心を賢治作品の朗読に変更し、独特の朗読法で評価を受けている。受賞に際しては「私の仕事は皆さんに聞いていただいて初めて完成するので、皆さんと共に頂いた賞だと思う。賞を頂き、本当の仕事はこれからだと賢治に諭された気がする」と決意を新たにした。

 加藤氏は39年生まれ。「賢治曼陀羅蔵書票」シリーズなど、賢治作品を題材にした創作活動を展開しており、広く深い読解による陰影に富んだ独自の表現を確立していることなどが評価された。受賞に当たっては「思わぬ賞を頂き、非常にうれしい。これからも賢治と共に歩んでいきたい」と謝意を示した。

 選考は、同センターによる選考委員会が担当。宮沢賢治賞の本賞に該当者がなかったことについて、選考委員長を務めた法政大の岡村民夫教授は「選考対象は9件だったが、ふさわしいと思われる対象を選出するには至らなかった。賢治生誕120年の節目で、本賞があればなお素晴らしかったが、底上げ的に出すことはしなかった」と選考の厳格さを強調した。