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コラム 記者ワープロ

住民、医師が共に努力 大迫家庭血圧測定事業

(10/17)
医師、保健師、住民がそれぞれの立場から長年にわたる家庭血圧測定の取り組みを振り返った「大迫家庭血圧測定30周年記念イベント」の座談会

医師、保健師、住民がそれぞれの立場から長年にわたる家庭血圧測定の取り組みを振り返った「大迫家庭血圧測定30周年記念イベント」の座談会

30年の軌跡を回顧

 【花巻】大迫生活習慣病対策30周年記念事業「大迫家庭血圧測定30周年記念イベント」(花巻市主催)は16日、同市大迫町の大迫交流活性化センターで開かれた。家庭での日常的な血圧測定によって住民の健康への意識を高めるという旧大迫町時代から長年続けられてきた取り組みについて、集まった関係者ら約200人が努力や効果を振り返った。

 家庭血圧測定事業は、旧大迫町の健康課題だった脳卒中や心臓病の主因になっていた高血圧への対策として、当時の県立大迫病院長だった永井謙一県立病院名誉院長と今井潤東北大大学院教授の協力の下、1987年に始まった。30年間で延べ1万5000人以上が参加し、成果は同大を通じて「大迫研究」として各種論文で発表されている。

 イベントでは、市から永井院長と今井教授に感謝状が贈られ、大久保孝義帝京大主任教授と今井教授が「大迫家庭血圧測定事業30年の軌跡」と題し記念講演。事業に関する映像が上映された。

 座談会では永井院長、町民の立花榮さんと高橋志郎さん、旧町保健師の浅沼裕子さんと畠山ユリ子さん、旧町職員の鷹嘴享子さん、市保健師の瀬川裕子さんがシンポジストとして今井教授を座長に思いを語り合った。

 このうち、同事業を働き掛けた永井院長は「当時の町長から事あるごとに“県立大迫病院は大迫町民病院だ”と言われ、町民の診療だけでなく健康管理もきちんとやらなくてはと思っていた。東北大の同級生で高血圧を研究していた今井先生に相談したところ、家庭での血圧測定を勧められ、保健師さんとも意見が一致した」と回顧した。

 実働を担った浅沼さんは「どのようにして地域にお邪魔するかが一番の悩みだった。地域活動がうまくいっていた公民館の主事に協力を願うと『良いことだ』と言ってくれ、この一言に支えられた。始めてみたら1年目は93%の世帯参加率でびっくりした」と地域の協力に感謝した。

 今井教授との出会いから高血圧による腎臓や心臓の負担に気付き、家庭で血圧測定を毎日実践した高橋さんは「軽く見ていた高血圧への意識が高まった。連携が求められる教育やまちづくりと同じように、医療も医者と住民(患者)が一緒に治療を進めていくことが大事だ」と呼び掛けた。