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コラム 記者ワープロ

一揆、神楽 根に信仰 亀林会講演会

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岳神楽保存会が演目を披露し、満員の来場者を魅了した

歴史考察、岳保存会が演舞

 【花巻】花巻市大迫町亀ケ森の郷土史研究会「亀林会」(若柳良明会長)が主催する講演会「早池峰岳神楽と百姓一揆の時代を考える」は5日、大迫交流活性化センターで開かれた。市文化財保護審議会委員の中嶋奈津子さん(盛岡市)が講演したほか、岳神楽保存会(小国朋身会長)が演目を披露し、住民らが地域の歴史やつながりに認識を新たにした。

早池峰岳神楽と百姓一揆の関わりについて講演する中嶋さん

 講演会は3部構成で、第1部は鳥舞と松迎舞、第3部は五穀舞、諷誦舞、権現舞を披露。第2部では、中嶋さんが神楽の伝播する過程と百姓一揆の発生時期を照合し、独自の考察を語った。

 岳神楽の流れをくむ弟子神楽などの数について切り出し、「確認できるだけで60団体、実際は100は下らないとも言われる。神楽は日本中にあるが、これほど弟子神楽を持つ神楽は他にないのでは」と指摘。500年以上とされる岳神楽の歴史を六つの時期に分けた上で、岳集落を構成し、神楽を担っていた「六坊」と呼ばれる人たちが1800年代前半、門付けを通じて弟子神楽を増やしたことを説明した。

 百姓一揆との関連については、「一揆は飢饉(ききん)や凶作が過ぎて生活がある程度良くなった時に発生し、さらにこうした騒動をかいくぐるように弟子神楽が成立している。いずれ来る凶作を恐れ、神様に祈りたかったのか」と推測。一揆の参加者が結束を固めるために神社で行っていた「一味神水」の儀式などを取り上げ、神々への信仰が基盤にあることを共通点として挙げた。

 さらに「修験や宗教者による神楽ならば加持祈祷(きとう)が目的だが、氏子に伝わる中で役割が変わったとも考えられる。神楽の稽古などを通じて若者を教育したり、強固な団結を培う場としていたかもしれない」といった可能性にも言及し、「民俗芸能の根底にある祈りや救済、願い、感謝は平和な現代にも存在する。それも踏まえ、大切に継承していかなければならない」と締めくくった。