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コラム 記者ワープロ

“心の復興”支え6年 いわてゆいっこ花巻

(3/10)

「となりの畑」で栽培したソバを打ついわてゆいっこ花巻のメンバーら

避難者と市民に輪
「役割全う」あす最後の行事

 【花巻】東日本大震災直後から被災者支援に取り組んできた花巻市の民間有志団体「いわてゆいっこ花巻」(大桐啓三代表)が、3月末で解散する。発生から6年。市内に避難した人たちの“心の復興”を願い、ボランティアの拠点として活動してきた。役割を全うして幕を引く一方、農作業を通じて出会った仲間が新たな組織を立ち上げる動きもあり、避難者と市民の交流の輪はさらに広がりそうだ。

 ゆいっこ花巻が発足したのは震災3日後の2011年3月14日。当初はボランティアが集まり、主に大槌町にトラック輸送する救援物資の仕分けに当たった。沿岸の避難所があふれ、花巻の温泉施設などで被災者を受け入れだすと、沿岸と内陸の双方に全国から寄せられた衣類や寝具、日用品などを配って回った。

 同市一日市に開設した事務所は炊き出しや物資搬送の準備をするほか、避難者が寄り添う集会所になり、厨房(ちゅうぼう)設備をそろえてカフェもオープン。沿岸に全国のボランティアが多く入るにつれ、市内の孤立被災者の支援をメインに切り替え、花見や温泉ツアーなど行事の企画、うつ病対策のプログラム作り、一人暮らし高齢者の見守り訪問といった活動を展開してきた。

 取り組みの柱の一つが、花巻市内でダイコンやサトイモなど30品目以上の野菜を栽培する「となりの畑」だ。ボランティアと避難者ら約20人が週2回活動し、収穫した野菜を分配。大槌町で被災した小田嶋政博さん(66)=盛岡市=は「外で汗をかき、休憩は輪になって話をする。農業を楽しむこと自体が目的で出来は二の次」と語る。農閑期の2月には、自分たちで収穫したソバを使って打ちたてを味わった。

 メンバーから継続を願う声が多く上がったことから、同事業は団体解散後も独立組織として活動していく方針で、いずれは拠点施設の開設や地元農家との交流イベントも構想しているという。

 400人以上いる花巻市内の避難者のうち、約半数が登録するゆいっこ。大桐代表(68)は解散理由の一つに、震災に関連する補助金の窓口が年々減少し、事務所の運営資金の確保が難しくなったことを挙げる。

 その一方で、中心市街地への災害公営住宅の整備や、市社会福祉協議会の生活支援相談員によるきめ細かな避難者支援が行き届いていることを踏まえ、「各家庭の自立を支えるという目的がおよそ達成され、一歩引いてもいいと思える状況になった」としている。

 「花巻と大槌の相互交流は今も続いており、沿岸と内陸に一つの道をつくる手伝いができたと思う」と大桐代表。被災者に対しては「新しい地域に溶け込むことは大変。気の合う人を見つけてコミュニティーを作り、市民生活を楽しんで」と願う。

 いわてゆいっこ花巻の最後の事業となる「3・11追悼行事」は、11日午後1時から同市愛宕町の妙圓寺で行われる。