所得確保へ独自支援
水田転作に関する助成制度の転換に伴い、雑穀や野菜などを分類する「その他作物」で2010年度に予想される大幅な助成金減額を踏まえ、花巻市は5日、国の手当ての不足部分を埋める市独自の緊急支援事業を、来年度創設する方針を明らかにした。産地確立交付金の交付を受けた担い手を対象に09年度並みの所得確保を目指す。国の激変緩和対策に関する県の対応が現時点で示されていないだけに、来年度作付けに迷っていた農家にとって朗報と言えそうだ。
同日市役所で開かれた定例記者会見で、大石満雄市長が発表した。
新政権が目玉として来年度実施する水田利活用自給率向上事業で分類されるその他作物への助成は10アール当たり1万円で、同市にとっては該当作物への大幅な助成額減少が憂慮されていた。これに加え国から激変緩和対策が示されてはいるが、現時点で県の対応は定まっていない状況にある。
同市は、制度変更に伴って苦境に立たされる農家支援を目的に、担い手農家を対象に今年度の産地確立交付金で交付された助成額並みの水準確保を目指す「緊急担い手経営支援事業」を新たに実施することにした。
同市の場合、その他作物に該当する雑穀、野菜・花卉(かき)などを今年度は600余りの経営体が栽培し、約4億円の産地確立交付金の交付を受けた。来年度も同じ面積で栽培された場合、新制度での交付額は2億5000万円程度で、今年度より1億5000万円ほどの減額が見込まれている。
特に雑穀は、10アール当たり最大4万3000円だった助成額が1万円へと大幅な減額となる。今後、国と県の協議を経て激変緩和の具体策が示されても、今年度と比べて不足部分が生じる可能性があると見込んで事業を創設した。
県から具体策が示された後に不足分の予算額が固まる見込みで、市は今月下旬に発表を予定する来年度予算案にこの事業費を盛り込みたい考え。
大石市長は「国の助成に激変が生じるその他作物については、緩和のための予算措置もあるが、それでもなお今年度の単価には足りないことが予測される。新制度へスムーズに移行する上からも、その他作物のすべてで今年度並みの所得を確保できるよう予算措置する考え」と述べた。