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コラム 記者ワープロ

農村、風土 描き残す 市博物館向井潤吉展

(9/19)
〝民家の画家〟として知られる向井潤吉が東北で描いた油彩画などを展示している市博物館の企画展

〝民家の画家〟として知られる向井潤吉が東北で描いた油彩画などを展示している市博物館の企画展

みちのくの民家紹介
 一関市博物館の企画展「向井潤吉 みちのくの民家」は、同市厳美町の同館で開かれている。全国各地を訪ねてかやぶき屋根のある光景を描き、一関の土蔵を東京に移築してアトリエとした洋画家向井潤吉(1901~95年)の作品のうち、45点を前期(10月10日まで)と後期(11月13日まで)に分けて展示。農村に暮らす人々の息遣いや、風土の魅力までも感じさせるような写実的なタッチが来館者の目を引き付けている。

 向井は京都府に生まれ、渡欧して洋画の技法を研究。戦後は高度経済成長などの影響で失われつつあった昔ながらの家をモチーフとし、〝民家の画家〟として知られるようになった。69年、岩手国体に合わせた都市計画土地区画整理事業で解体予定だったJR一ノ関駅前の旅館「岩渕屋」の土蔵を東京・世田谷に移築し、アトリエとした。

 同展では世田谷美術館の所蔵品を中心に、奥州市江刺区の水車小屋や福島県の旗宿、秋田県のマタギの家など、東北をテーマにした作品を紹介している。このうち「六月の田園」と題された作品は旧滝沢村の民家がモチーフ。ノスタルジックなかやぶき屋根の背景に荘厳な山がそびえ、手前には水を張ったばかりの田んぼが鏡のように家の影を映し出している。

 いずれの絵も写実的に表現されているが、着物が干してある様子を意図的に描くなど、そこに住む人の気配が感じられるような工夫が凝らされている。

 作品のほか、向井が愛用していたイーゼルやパレットも生前の写真と併せて展示している。

 同展担当の大衡彩織学芸主査は「博物館に足を運んで実際の作品を見ることで、油彩画の表面の質感や色彩の魅力を味わってもらいたい」と話している。

 開館時間は午前9時~午後5時。月曜(祝日の場合は翌日)休館だが、岩手国体開催中の10月は休館しない。作品入れ替えのため、来月11~14日は企画展を休む。同16日には関連イベントとして、筑波大名誉教授で日本茅葺(かやぶ)き文化協会代表理事の安藤邦廣氏による講演などが行われる。参加無料。問い合わせは同館=0191(29)3180=へ。