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コラム 記者ワープロ

父最期の地で平和の誓い 千厩・佐藤守さん

(9/22)
父宮雄さんの眠る西部ニューギニアを訪れ、慰霊碑の前で追悼文を読み上げる佐藤さん(手前)

父宮雄さんの眠る西部ニューギニアを訪れ、慰霊碑の前で追悼文を読み上げる佐藤さん(手前)

西部ニューギニア初訪問
「生きているありがたみ実感」

 一関市千厩町千厩字宮田の佐藤守さん(74)は、太平洋戦争で戦死した父宮雄さんの慰霊のため、西部ニューギニアを初めて訪問した。宮雄さんが眠る異国の地で全国の戦没者遺児と共に手を合わせた佐藤さんは「今こうして生きていられるありがたみを実感した」と語り、平和の尊さを再確認した。

 西部ニューギニア地域への訪問は、政府の戦没者遺児による慰霊友好親善事業の一環。佐藤さんをはじめとする戦没者の遺児ら13人が、9~17日の9日間の日程で同地域での慰霊や現地住民との親善行事に参加した。

 一行はジャカルタを起点に、マノクワリ、ジャヤプラ、サルミ、ビアクの各地を巡礼。佐藤さんは宮雄さんが戦死したとされるビアク島の慰霊碑の前で追悼文を読み上げ、供物や花などを手向けて戦没者の冥福を祈った。

 現地では友好親善事業にも取り組み、小学校で記念植樹を行って子供たちと交流したほか、病院へ車椅子を贈呈した。地元住民との懇談会にも参加し、親睦を深めた。

 宮雄さんは1921(大正10)年、千厩町生まれ。41年にイク子さんと結婚し、翌年に出征。陸軍歩兵第222連隊に編入し、45年6月にビアク島で没したとされる。

 佐藤さんは初めて訪れた西部ニューギニアの印象を「自然が豊富で穏やかな所」と語り、「こんな場所で十分な飲み食いもできず、血みどろになって戦った父たちのことを思うと、今の私たちの生活は多くの犠牲の上に成り立っているのだと強く実感した」と心境を吐露。

 「慰霊碑の前で手を合わせた時は万感の思いが込み上げた。今回の体験を次代につなぐことが自分に与えられた使命と捉え、戦没者遺児の自覚を忘れず平和の大切さを後世に伝え続けたい」と誓いを新たにした。