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コラム 記者ワープロ

複数案 並行検討へ 「平泉」拡張登録検討委 来夏に方向性確定

(10/4)
複数の拡張OUV案を並行して検討することが示された第9回平泉の文化遺産世界遺産拡張登録検討委員会

複数の拡張OUV案を並行して検討することが示された第9回平泉の文化遺産世界遺産拡張登録検討委員会

 第9回平泉の文化遺産世界遺産拡張登録検討委員会(委員長・田中哲雄前東北芸術工科大教授)は3日、東京都内で開かれ、拡張に向けたOUV(顕著な普遍的価値)改定案を協議した。事務局は、2017年度末の拡張登録推薦書提出に向け、先に開催した海外専門家との意見交換会での議論を踏まえた新OUV案と、11年に認められたOUVを再解釈したOUV案を並行して検討する方針を提案。新OUV案を中心に議論したが、委員からはさまざまな検討課題が出された。

 8月4~6日に開催した海外専門家との意見交換会で、事務局は「平泉」を奥州藤原氏がつくり上げた「仏の理想世界の中心」として価値を説明する拡張OUV案を提案。▽OUVを変えた説明が必要▽関山と金鶏山の二つある中心の説明が必要▽強いイデオロギーに基づく国家建設の視点から考えることは有益▽別の地域の仏教との違いや平泉が別の場所へどんな影響を与えたかという主張が必要―といった意見があった。

 今委員会では、これらの意見を踏まえ、奥州藤原氏の仏の理想世界を国家(疑似国家)システムとして考えた新OUV案「平泉―奥州藤原氏の仏の世界の中心」を提案。仏教(浄土思想)を領域支配の理念とし、平泉を形成・維持・発展させるシステムとして機能するとともに文化的伝統を形成し、その統治理念およびシステムは記録や考古学的証拠によって説明されるとした。

 委員からは新OUV案に対し「奥州藤原氏の統治理念と統治システムを定義する必要がある」「歴史的事実を的確に反映させる必要がある」といった意見や「複雑で整理しきれていない。構成資産と共に整理して説明する必要がある」などといった指摘があった。

 複数のOUV案は並行して検討を重ね、17年8月に予定する平泉の文化遺産拡張登録に係る国際会議で拡張推薦書のOUV案の方向性を確定する方針だ。