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コラム 記者ワープロ

水蒸気噴火範囲示す 栗駒山火山防災協部会

(10/19)

ichi_sui東西3キロ、南北500メートル

 栗駒山火山防災協議会ハザードマップ作業部会(部会長・齋藤徳美岩手大名誉教授)の第2回会合は18日、盛岡市で開かれ、栗駒山の昭和湖を中心とする東西約3キロ、南北約500メートルの水蒸気噴火想定範囲が初めて示された=図参照=。また、過去の噴火で昭和湖から流れ出た強酸性水が広い範囲に影響を及ぼしたことから、酸性水の拡散も災害の想定に加えることにした。

 有識者や国、県、地元自治体などから約30人が出席。栗駒山火山ハザードマップの作成に関する噴火想定、噴石や降灰、火口噴出型泥流などのシミュレーションのたたき台について議論した。

 作業部会メンバーの土井宣夫岩手大教授の報告によると、栗駒山の水蒸気噴火は北側斜面で過去約1万年の間に少なくとも12回あった。最大規模だったのは約4000年前に発生した噴火で、噴出物の量は230万立方メートルに達し、最大規模の火山泥流が噴出した。また、1944年に発生した昭和湖火口の噴火の際は火口から泥水と強酸性水が流出、その後、須川高原温泉源泉からも流出し磐井川を流れ下った。

 作業部会で示された噴火想定範囲は約1万年の間に水蒸気噴火・マグマ噴火が発生した地点、マグマが貫入した地点(岩脈)を包含するエリアで、土井教授の調査資料に今年8月に実施した現地調査の結果なども加えて噴火範囲を想定した。

 また、噴火地点の想定に当たり、須川高原温泉から近く、過去の文献で火口と認定されてきた硫黄山の地獄釜(長径約180メートル、短径約140メートル)については地滑りで形成された凹地で、火口ではないと結論付けた。

 同日は過去約1万年の間の噴火実績として現在まで解明されている噴火に基づきマップを作成する基本方針を確認。噴火規模の想定も過去の水蒸気噴火の実績を最大限として設定。噴火によって昭和湖から強酸性水が流れ、広範囲に影響を及ぼした実績を踏まえ酸性水の拡散も対象に加える。

 作業部会は岩手、宮城、秋田の3県などで構成する栗駒山火山防災協議会の下部組織。ハザードマップは火山噴火による被害が及ぶ範囲などを示すもので、今年度は水蒸気爆発や酸性水を対象とし、マグマ噴火などは来年度に検討を進める。

 齋藤部会長は「岩手・宮城内陸地震でたくさんの山が崩壊したが、今回地滑りや山体崩壊は対象とせず来年度以降の議論にしたい」と述べた。