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コラム 記者ワープロ

水害の教訓後世へ 砂鉄川治水事業 元首長らが回想

(10/30)
パネリスト4人が砂鉄川流域の水害を振り返り、治水施設の役割などを伝えた「砂鉄川を語る会」

パネリスト4人が砂鉄川流域の水害を振り返り、治水施設の役割などを伝えた「砂鉄川を語る会」

 国土交通省岩手河川国道事務所が主催する「砂鉄川を語る会」は29日、一関市川崎町の川崎市民センターで開かれた。2002年の台風6号による水害をきっかけに始まった「河川災害復旧等関連緊急事業」の完了から10年を記念して企画。パネリスト4人が市内東部を流れる砂鉄川の水害を振り返るとともに、治水施設の役割や災害時の心構えの大切さを伝えた。

 パネリストは、旧川崎村(同市川崎町)元村長の千葉莊氏、旧東山町(同市東山町)の元町長松川誠氏、元国土交通事務次官の青山俊樹氏、元国交省河川局治水課長の福田昌史氏。市民ら約190人が聴講した。

 松川氏は砂鉄川の水害について「かつては水位が上がっても激流が発生することは少なく、警戒することもなかったが、平成に入って大規模な水害が起こるようになった。中でも02年の台風6号がもたらした豪雨は濁流となって人家や耕地を容赦なくのみ込んだ。戦前戦後、住民が体験したことのない未曽有の被害が出た」と脅威を語った。

 千葉氏は同事業採択後、東山、川崎両地域の住民らの強い希望で築堤などが行われた経緯を紹介。人命を守るための治水施設の必要性を語る一方、「川のそばに住んでいて、絶対に安全ということはない。いざという時のため、自分の命は自分で守るという意識だけは持っているべきだ」と強調した。

 川との付き合い方について、青山氏は「雨の降り方によっては渓流から多量の土砂が本川に流れ込んだり、突然水位が増えたりする。砂鉄川流域はあらゆる治水対策がなされ、比較的安全な状態ではあるが、緊急時の心構えは必要だ」と指摘した。

 福田氏は「砂鉄川の治水対策は河川局が持てる技術を集結して取り組んだ事業で、全国でも珍しい成功例。水害の恐ろしさと治水事業の大切さを忘れることなく、砂鉄川の歴史を次の世代に伝えていくことが地域の安全につながるはずだ」と呼び掛けた。