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コラム 記者ワープロ

世界かんがい施設遺産 照井堰用水が選定 県内初

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世界かんがい施設遺産に選定された照井堰用水=一関市厳美町地内

世界かんがい施設遺産に選定された照井堰用水=一関市厳美町地内

 一関市と平泉町を流れる照井堰(ぜき)用水が、国際かんがい排水委員会(ICID、本部インド)が歴史や技術、社会的な価値のある水路などを認定・登録する「世界かんがい施設遺産」に選定された。8日にタイで開催されたICID国際執行理事会で決定した。本県の施設の登録は初めてとなる。

 照井堰用水は、藤原秀衡の家臣の照井太郎高春が平安末期の1180年ごろに開削したと伝えられる用水路。江戸時代の大干ばつにより大改修が行われ、現在に至っている。同市厳美町小河原地内の磐井川を水源とし、長さ約48キロにわたって一関、平泉両市町内を通水して衣川に落水する。

 1073ヘクタールに及ぶ水田へのかんがい、地域の生活用水としての役割を担っているほか、毛越寺の浄土庭園に遣水(やりみず)として疎水(そすい)されている。2006年には農業や地域の振興、農村環境の保全に貢献し、地域で適切に守られているとして農林水産大臣より「全国疎水百選」に認定された。

 同遺産登録をめぐっては、用水を管理する照井土地改良区(同市竹山町)が16年3月、農林水産省に申請し、5月に国内候補に選ばれた。国際執行理事会では、国内候補地として今年度申請された7施設と15年度に継続審査となった7施設が審査され、内川(宮城県大崎市)、安積疎水(福島県郡山市、猪苗代町)など全14施設が選ばれた。

 登録を受けることで、施設の持続的な活用や維持管理に関する意識の向上などが期待される。同土改区の阿部克郎理事長は「これを機に地域として歴史をしっかり掘り下げて理解を深めるとともに、照井太郎高春の思想を受け継ぎ守っていくことが重要だ」と語った。

世界かんがい施設遺産

 かんがいの歴史、発展を明らかにして施設の適切な保全につなげるため、2014年に創設された制度。建設から100年以上が経過し、農業発展に貢献した施設や卓越した技術で建設された施設などを登録、表彰する。15年までに国内13施設を含む25施設が認定されており、今回を加え登録総数は8カ国50施設となった。