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コラム 記者ワープロ

佐原・高断熱サッシ換気装置 優れた発明で表彰

(11/12)
県発明協会長賞を受けた佐原の田中製造本部長

県発明協会長賞を受けた佐原の田中製造本部長

 一関市赤荻の金属加工製造業佐原(佐原芳樹代表取締役社長)の田中義之製造本部長(58)が、2016年度東北地方発明表彰の岩手県発明協会長賞を受けた。アルミと樹脂を片面ずつ組み合わせた高断熱のサッシ換気装置を発明。「世の中に少しでも貢献できたかと思う。お客さまがさらに満足できる商品を考えていきたい」と開発意欲を新たにしている。

 発明名称は「窓用のアルミと樹脂の複合断熱換気框(かまち)」。同社が1970年に開発した、ワンタッチでスライド開閉できる換気口が付いた窓枠の素材を改良した。屋外に露出する側には従来通りに耐久性の高いアルミを採用し、室内側に断熱性のある樹脂素材を用いた。これにより室内側のガラス面に結露が生じるのを防止するとともに、熱損失を減少させ暖かさを保つ効果がある。

 同社によると、樹脂とアルミの複雑な形状を組み合わせ、その中に精密な機構を取り入れる点に苦心したといい、熱伝導を抑制するために樹脂とアルミの設置面積を減らすなどの工夫を施した。

 95年に商品の開発に着手し、97年に完成して特許を出願、2002年に登録。高機密住宅によるシックハウス問題の対策などとして、断熱性能と防露性能を有するサッシ換気装置の需要の高まりを背景に、大手サッシメーカーに製品を供給し、15年間で約400万本を売り上げるヒット商品になった。熱損失を減らすことで冷房効率も向上するため、寒冷地ばかりでなく関西、九州地方でも販売数を伸ばした。

 東北地方発明表彰は、地域で優れた発明を完成した人や、発明の実施化や指導、奨励、育成に貢献した人たちをたたえるもので、8日に山形県で表彰式が行われた。

 発明協会の表彰を受けるのは同社にとって3度目となり、「長い間、継続して使ってもらえる商品を生み出すことができ、それを認めていただけてうれしい。後輩の開発者にとって一つの励みになれば」と田中製造本部長。現在は換気口の断熱性を向上させつつ、給気の熱交換をさらに高める仕組みの考案などに取り組んでいるといい、「今後も世の中の変化に対応した商品開発に力を入れたい」と話している。