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コラム 記者ワープロ

齋藤さん(萩荘)が方言集 収集4年、辞書形式で

(11/30)
方言集「語彙の森の落葉拾い」を発行した齋藤初美さん。地元の言葉を辞書形式で分かりやすく紹介している

方言集「語彙の森の落葉拾い」を発行した齋藤初美さん。地元の言葉を辞書形式で分かりやすく紹介している

農村文化 伝えたい

 一関市萩荘字上大桑の農業齋藤初美さん(78)は、方言集「語彙(ごい)の森の落葉拾い」を発行した。失われゆく地元の“ズーズー弁”を4年がかりで収集し、標準語を見出し語とした辞書形式で紹介。「方言には昔ながらの農村の暮らしが表れている。郷土資料としても活用してもらえればうれしい」と期待を込めている。

 齋藤さんは地域のさまざまな情報が詰まった方言の“農村考古学”的な魅力に引かれ、滅びてしまう前に記録に残そうと方言集の作成を決意。方言にまつわる文献を調べたほか、幼い頃の記憶や地域住民の会話などから、萩荘地区を中心に昔ながらの言い回しを掘り起こした。

 方言を知らない人でも読みやすいよう、見出し語には標準語を採用。「こども【子供(達)】方言 わらす(注=童)・がき(注=餓鬼)・わらすっこ…」というように、同じ意味の方言や類義語、発音、用例を平仮名で併記し、五十音順に並べた。「方言は話し言葉なので文字での表記が難しく、標準語でしっくりくる言葉が見つからないこともあって大変だった」と振り返る。

 小遣い稼ぎという意味の「ほまずかしぇぎ」など、ユニークな方言も紹介。この言葉については船頭が悪天候の日に別の方法で金を稼ぐ「帆待ち稼ぎ」からきているといい、「短い言葉であっても、昔の人の生活ぶりが頭に浮かんでくるのが面白い」と魅力を語る。

 たろひ(つらら)、あげず(トンボ)など、大和言葉が転じたとされる方言も多数掲載。「方言は伝統や文化を受け継ぎ、今に伝えることの大切さを教えてくれる。思いやりを感じさせる言葉もたくさんあるので、多くの人に知ってほしい」と話している。

 A5判298ページ。価格は2000円(税込み)。同市大町の北上書房で販売している。