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コラム 記者ワープロ

餅食中心、刺し身に煮付け 大東・京津畑集落

(12/30)
大東町京津畑で作られている年末年始の料理。餅の膳(上中央)と、(下左から)海産物を中心とした膳、正月料理の膳

大東町京津畑で作られている年末年始の料理。餅の膳(上中央)と、(下左から)海産物を中心とした膳、正月料理の膳

家族で囲む膳 多彩に

 一関市の最北端、高齢化が進む50世帯ほどの大東町京津畑集落には、伝統ある郷土食の文化が息づいている。食事そのものだけでなく、年末年始にはどんな思いを込めて家族が膳を囲んだかという記憶も受け継がれている。

 年を越すに当たってまず作られるのが、海産物を中心としたお膳。かつての内陸部では普段は食べることができなかったお頭付きの魚とお刺し身が中央に据えられ、お煮しめや黒豆、なます、茶わん蒸しなどを配置する。

農事組合法人京津畑やまあい工房の会員ら

農事組合法人京津畑やまあい工房の会員ら

 続いて餅の膳。あんこやくるみ味のほか、しょうゆ味の雑煮とそばのわんが並ぶ。これらは、2年参りで神社から帰ってきたところで食べるのだという。

 年末から用意し、正月の間に食べる料理は家庭によってさまざま。現在作られているのは豆やニンジンを入れた大根の酢の物、ニシンの昆布巻、ゴボウと煎り子の煮物、コゴミの豆腐あえ、キクとキュウリとサクランボの酢の物、ゼンマイの煮物などで、いずれも日持ちするので多めに作る。

 そもそもこれらの料理が作られるのは、正月の間はできるだけお金を使わないようにするためだという。農事組合法人京津畑やまあい工房会員の菊池弘子さん(83)=大東町中川=は「昔は正月からお金を使うと、その年はお金がたまらない年になるといわれた」と往時を振り返る。

 家によっては、魚や餅の膳の隣に一升升(ます)を置いて、家中のお金をこれに集め、お金がたまるようにと祈りを込めたというが、近年はあまり行われなくなった。

 山間部の食材を使って昔懐かしい味を届ける夏、冬の「まごころ便」や、例年多くの食の愛好者を迎えている京津畑まつり「食の文化祭」を実施している京津畑集落では、伝統の味を受け継ごうという取り組みが続けられている。菊池さんは「魚が食べられる機会は貴重だった。昔は年越しそばという習慣もなく、年末年始に食べていたのは餅が中心で、それは今でもそう」と語る。