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コラム 記者ワープロ

「食」資源に観光振興 国際情勢講演会

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岡垣氏(外務省上席専門官)がもてなし指南

伊勢志摩サミットで行った食のおもてなしを紹介する岡垣氏

 2016年の伊勢志摩サミットで準備事務局次長を務めた外務省国際協力局地球規模課題総括課上席専門官の岡垣さとみ氏による国際情勢講演会が31日、一関市山目の一関保健センターで開かれた。岡垣氏は、同サミットで担当した食のおもてなしを紹介し、岩手でも食を通じた観光の振興が図られるよう期待した。

 19年ラグビーワールドカップや20年東京五輪などで来日する外国人の増加が見込まれる中、国際経験が豊富な外交官の取り組みを参考にして「食」に関するおもてなしのレベルアップを図ることが狙い。南いわて食産業クラスター形成ネットワークと県南広域振興局が主催、外務省と一関市、平泉町が共催し、約130人が聴講した。

 演題は「伊勢志摩サミット『おもてなし外交』の舞台裏を外交官が語る~食の魅力発信を地域から」。岡垣氏は「外交における『おもてなし』は、交渉を成功に導くためのツール。『食』はコミュニケーション・ツール」と強調。その上で、日本の伝統文化や自然を世界に発信する機会とされたサミットでは、開催地の三重県を中心とした国産の食材を用いたほか、岩手など被災地の産品も取り入れたと回顧した。

 さらに、サミットで行った「食のおもてなし」を具体的に紹介。各国の首脳が食事する機会は3回あったが、いずれも仕事をしながら取る形で行われたため、食事を出すタイミングや音を立てない食器の選択などに細心の注意を払ったという。料理を決める際は、一人ひとりの嗜好(しこう)や宗教を事前に調べ、同じ見た目で中身の異なる5種類の弁当を用意するなどして配慮。首脳自ら手に取る可能性の高い客室冷蔵庫の品は、サミットのロゴマークや産地が見えるよう配置したと振り返った。

 外務省のホームページでは、料理人や食事内容と合わせて食材や産地も公表。世界中から訪れる記者のために設けた国際メディアセンターでは、24時間利用できるようにして1日7000食を提供したところ、食事も発信されPRにつながった。三重県の分析によると、観光客の増加や国際会議の誘致をサミット後も見込める宣伝・経済効果があった-と語った。

 こうした事例を踏まえ、岡垣氏は「食は観光客を呼び込む重要な地域資源の一つ。特産品や郷土料理は観光促進につながるため、情報発信や連携が必要」と観光資源としての食の活用を促した。