ホーム 県内外 一関・両磐 胆江 北上 花巻 動画ニュース
2017年3月
« 2月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
コラム 記者ワープロ

復活20年 節目の巡行 平泉・東松寺

(2/14)

東松寺を出発する秋葉大権現祭の巡行=2006年2月19日

19日、秋葉大権現祭

 平泉町長島字赤伏前の東松寺の「秋葉大権現祭」が19日に行われる。地域の安泰を祈願する同寺の行事で、地元住民らが巡行を復活させてから20年を迎える。同寺に秋葉大権現が祭られるようになってから130年の節目にも当たり、関係者は地域の伝統ある行事として誇りを持ち、後世に引き継ぐことを誓う。

 秋葉大権現祭は今から200年余り前の江戸時代後期、北上川東岸に位置する小島村佐野(現平泉町長島字佐野)に火災や盗難が起きないよう「秋葉三尺坊大権現」を祭ったのが始まりだ。

 佐野地区はかつて舟運の舟戸の宿場町として栄えていた。泊まり客の船方と地元住民との間で流行した賭け事が災いして盗難や放火が相次いだのに心を痛めた住民有志が、1790(寛政2)年、秋葉総本殿可睡斎(現静岡県袋井市久能町)から火盗消除の神霊である「秋葉三尺坊大権現」の分霊を受けて舟戸の一角に祭ったとされる。

 1872(明治2)年の神仏分離令で三尺坊大権現は仏像とされ、同地区近くの東松寺に安置されるようになった。87年には住民有志が浄財を募って地元の名工により厨子(ずし)が作られ、小島村の安泰を祈願する守護菩薩(ぼさつ)として信仰されてきた。

 祭りでは移動式の厨子を地元住民が担ぎ丸1日をかけて旧小島村境の辻角を巡り、住職が火難・盗難よけを祈祷(きとう)する。1982年以降は住職の大本山勤務のため巡行を中断。寺で祈祷のみを継続していたが、住職復帰を契機に秋葉山講中を再編し、98年に巡行が再開された。

 地元住民の間では巡行のことを「どんどこぼへぇ」と呼ぶ。行列を導く太鼓とほら貝の音が家々に近づいてきた時の様子を擬音で表したもので、近年は火災予防、農作業の始まりなど地域に春を告げる風物詩として親しまれている。

 復活時から講長を務める千田守さん(78)は「苦労して復活させたのを思い出す。伝統的な祭りを絶やさず、若い人へつないでいきたい」と話す。同寺の千田康道住職(49)は「村の小さなお祭りだが、何百年という伝統のある祭りとして継続し、地域の誇りにしていきたい」と語る。

 当日は午前9時15分ごろに同寺を出発。消防団の火防点検に合わせ、小島地区内の火防、家内安全、諸災消除など地区内の安泰を願い巡行する。