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コラム 記者ワープロ

農民の労苦 切々と 藤沢市民劇場「新沼物語『雨の記憶』」

(2/27)

第18回藤沢市民劇場「新沼物語『雨の記憶』」の一場面。将来を誓う志郎(左)と五十鈴を、山へ向かう年寄りや家族が祝福する

 第18回一関藤沢市民劇場「新沼物語『雨の記憶』」(実行委主催)は26日、一関市藤沢町の藤沢文化センター「縄文ホール」で開かれた。初めて新沼地区を劇の舞台に取り上げ、米の不作と苦しい生活にあえぐ村人の姿を悲しくも表情豊かに演じ切り、観客を感動の舞台に引き込んだ。

 「雨の記憶」は新沼の地名に由来する悲しい親子の昔話を織り交ぜた創作劇。不作続きの中、稲作に必要なため池を掘り続ける村の若者・志郎と、志郎を取り巻く人々の姿を17人のキャストが1人2役で演じ、支えるスタッフも一丸となって舞台をつくり上げた。

 村の娘五十鈴を巡り志郎と、恋敵の権六が相撲で対決するシーンは、力と意地がぶつかり合う見せ場の一つ。負けても負けても向かっていく志郎の姿が観客の胸を打ち、降り続く雨に米の収穫が見込めず、「生きるため」と娘を奉公に出し、年寄りを山に送り出す村人の決断を描いたラストは涙を誘った。

 観客の拍手に迎えられ出演者が手を取り合って登場するカーテンコールでは、鳴り止まぬ拍手にキャスト、スタッフも満面の笑みで応えていた。町内から訪れた男性(83)は「気になるところもあったが、芝居としての組み立ては良く、特に後半は感心させられた」と語っていた。

 主役の志郎を演じた菊地優也さん(21)=同市千厩町=は「相撲のシーンは、志郎の意地がお客さんに伝わるよう力を込めた。良いものが見せられたと思う」、権六役の小野寺圭一さん(22)=同市大東町=も「素晴らしい出来で、お客さんに喜んでもらい良かった」と胸をなで下ろした。五十鈴役の熊谷紗耶華さん(21)=同市藤沢町=は「練習では不安もあったが、みんなで力を合わせ100%以上にできた」と笑顔を見せた。

 藤沢市民劇場は、2000年の第1回「森に消えた十字架」以来、地域に伝わる民話、伝説などを題材に取り上げており、「雨の記憶」は2年ぶりの新作で11作目。実行委の脚本制作班が原作、脚本を担当した。